【ブラック企業への旅立ち】ロープレが大っ嫌いになった社会人カワノ

【ときめき度ゼロ】ミュージシャンになる!と言い出した青春時代のカワノ

前回のプロフィールからの続き

音楽という夢を諦め

(というか、何も努力してない)

僕は周りのみんなと同じように
社会人として就職することにしました。

もちろん、スーツも持っていないので

26歳「はるやま」で初めてスーツを買いました。

人生初の職安にも行って
職探しをしてみました。

  • バカ高校卒業
  • 資格なし(なんとか普通免許だけ持ってる)

そんな僕を中途採用してくれる会社は、世に言う

ブラック企業ばっかりでした。

しかし、
社会人ルーキーのポンコツだった僕は
そんなことは全く知らず…

求人募集を見て

  • 年齢制限なし
  • 資格もいりません!
  • 給料:基本給20万円+歩合給
  • 頑張るあなたを応援します!

みたいな求人を発見。

お、ここいいじゃん

とりあえず、この会社に面接行ってみるかー

というノリで
面接を受けに行ってみたら、

なんと即合格!

???

おう?

正社員になるのって
こんな楽勝なの?

ワロスwwwww

僕はブラック企業をなめてました。

まぁ、だいぶ後で知ったことなのですが、

基本的にブラック企業というのは

電話してきて、約束の時間を守って、

履歴書を持って、面接来るヤツは即採用という

ブラック企業ルールを
僕はまったく知らなかったのです。w

社会人はつらいよ…

そして迎えた初出社の日。

「お゛はよう゛ござーあいばぁず!!!!!」(おはようございます)

超デカイ声で朝礼をはじめる
角刈りのおっちゃん

ものすげー体育会系の朝礼…。

僕はドン引きしました。

????

??

あれ?なんかおかしい?

そこでやっと異変に気付いたのですが、時すでに遅し。

「おう、新人!ロープレやるぞ」といきなり言われ

僕の頭の中は

へ?ロープレ?

ドラクエ?

FF?

今からゲームして遊べるの?

え?え?

ハテナマークだらけで
意味ワカンネーってなりました。

(当時のカワノは本当にゲームして遊べると思っていました)

(ちなみに営業の仕事で「ロープレ」というのは、社員同士が1:1で向き合って、一人がお客さん、一人が営業マンとして営業トークの練習をすることである)

新人研修が始まってから気づいたのですが

はじめて正社員として入った会社は
なんと「飛び込み営業」が主体の会社だったのです!

あれ?

求人には
「法人顧客への通信機器の企画・案内」
って書いてたのに!!

だ、騙された!

営業だけは
絶対にやらんとこう!
と思っていたのに!

僕としてはこの研修が終わった初日

「思っていた仕事と違うので辞めさせて下さい!」

すぐ辞める
という選択肢もあったのですが、

僕の意味不明なプライドがここで発動。

正社員になって一日で辞めたら、俺ダサくない?

僕は正社員として働きはじめるにあたって、周りの友人に

「俺も正社員で働くことにした。出遅れた分、メッチャ稼いですぐ出世して、お前らごぼう抜きにしてやるよ」

と、偉そうに
意味不明なビッグマウスを
ぶっこんでいたことが仇となり。

飛び込み営業の
超体育会系の

絶対にここはヤバい…

と思っている会社を
辞めるに辞めれない…

自分で自分のクビを締める羽目になったのでした。

奇跡の人材派遣会社

1日で辞めることはなかった
飛び込み営業の仕事でしたが

やはり続けることは無理でした。

一ヵ月、二ヵ月、と
慣れない飛び込み営業をしてると

訪問先に挨拶しただけで、
舌打ちされ追い返されたり、

酷いところでは、

「仕事の邪魔をしに来るんじゃねー!」


いきなり怒鳴りつけられて
傘を投げられたり

そんな毎日で
僕はメンタルがボロボロになりました。

さらに、僕より後に入ってきた

不動産屋のセールスマン経験のある年下の子が
バンバン契約をとってくるのに

僕はまだ一件も契約が取れずにいました。

所長と呼ばれる上司に

「カワノ、お前そろそろ契約とってこんか!」

「お前、契約も取ってこないのに、給料貰うとか、ただの給料泥棒やぞ」

とボロカスに言われました。

最初は、何とか頑張ってみようと思っていた初就職でしたが

完全に心が折れました。

僕は

「俺には営業のセンス、セールスマンとしての才能ゼロだわ。メンタルも超弱いし、やっぱ営業なんて無理!」

正社員として勤務してから三ヵ月目、
休み明けの月曜

どーしても会社に行くのが嫌で嫌で布団から出られず

「やめさせてください」

と寝転がりながら
携帯で会社に連絡を入れて
仕事を辞めました。

せっかく一念発起して就職したのに
三ヵ月で会社辞めてしまった。

「あー三ヵ月で仕事辞めるとか、俺、社会不適合者やんけーポンコツやんけー」

落ち込んで凹みましたが、
悠長なことは言ってられません。

早くまた正社員で仕事をさがさないと

「いつまで、フラフラしとるねん?」

また周りの人間に総攻撃される!

恐怖&すごく焦りました。

かと言って、
慌てて仕事を探して

またブラックな会社だったら最悪だしな…

僕は悩みました。

でも、とりあえず食いつないでいくために働かないとなー

ということで

次のめぼしい正社員の仕事が見つかるまでの間、

派遣会社に登録して
アルバイトを始めました。

繋ぎのために始めたアルバイトでしたが、

そのアルバイトは僕にとってパラダイスでした。

というか、

飛び込み営業に比べると

アルバイトってなんてラクチンなんだー!

と改めて思いました。

当たり前の話ですが、バイトは

ある程度、言われることを守って働いて時間が経てば

普通にお金がもらえるのです。

給料泥棒!

なんてヒドイ事を言われなくていいのです!

「あーアルバイトってこんなにもラクチンで楽しかったんだなー」

僕はそのアルバイトが気に入って、
ろくに仕事も探さずに

アルバイトの日々を
3ヵ月過ごしていました。

そんな、ある日
派遣会社の担当の人から連絡がありました。

ん?
担当の人から電話ってなんだ?

俺なんか仕事でヘマしたかな?

ちょっと焦って電話に出てみると

特に何か怒られるような電話でもなく

「今の職場で何か変わったことないですか?」

という話。

「なんだ、なんもない普通の電話か」

と油断していたら…

「カワノくん、ウチの会社で働いてみない?」

突然でした!

なんと!派遣会社の担当の仕事をしないか?

と誘われたのでした!

ブラックだけど、ブラックじゃない

まさかの展開で
派遣会社の正社員として働かないか?

誘われたカワノ!

おそらく、バイトを始めてからの3ヵ月間

地獄のような苦しみだった飛び込み営業に比べ

精神的にラクだった派遣のアルバイト。

無遅刻・無欠勤で
真面目に明るく働いていたので

「コイツ、使えるかも」

担当さんの目に留まったのでしょう。

(本当はただのポンコツなのにw)

しかし、この時の
なんかムズムズした感情…。

なんていうんでしょうか。

僕の人生において

「正社員にならないか?」

と言われたことは

なんか、僕自身を世に必要とされたというか、

「お前のチカラが必要なんだ!」


認められた気がして…

今まで、自分のことを
ダメダメなヤツ・ポンコツ人間と

自己否定しまくっていた僕にとって
人から必要とされたことは

天にも舞い上がるぐらい嬉しいことでした!

「俺って本当は、イケてるんじゃね!」

バカが勘違いするのに十分な出来事でした(笑)

でも、時として「勘違い」は偉大です!

やったこともない人材派遣の担当という仕事

他人の仕事の世話をする仕事

その仕事内容から

必要とされるコミュニケーション能力の高さ

世間一般的にキツイ仕事という噂の業種です。

普通に考えると

バカでコミュ障で
ラクして稼ぎたいマインドの
ポンコツ人間だった僕は

「絶対に自分には、できない」


しり込みして
やらない仕事です。

でも、僕はやる気満々になりました!

「勘違い」という武器を得て!(笑)

もう、俺の生きていく道はこれしかない!

派遣会社に就職することを決めました!

そして

  • 派遣の登録に来る人の面接方法
  • 取引先(企業)とのやり取り
  • 労働基準法の理解
  • 派遣法の勉強

などなど

死ぬほど、覚えること
業務は山積みにありました。

しかし、僕にとっては
目に映るもの全てが新しいもので

やりがいを感じました!

「働きたい」と
面接に来る人に職場を紹介してあげると

「カワノさん、良い職場に紹介してくれてありがとうございます」


感謝される。

人材を紹介した企業からも

「人が足りなくて困ってたんだよ、ありがとう。カワノくん」


喜ばれる。

会社の売上げが上がる。

「よくやったなーカワノ、入社したばっかりやのにすごいやんか!」

上司に褒められる。

今まで誰にも認められなかった男・カワノ

それがいきなりたくさんの人から
感謝される存在になったのです。

僕は有頂天になりました。

もはや、この仕事をやればやるほど

自分が高みに登れる気がして

率先して働きまくりました。

就労時間も完全に無視して働きました。

新規の取引先が決定したら、
慣れない契約書の作成で

夜中まで会社でパソコンカタカタしたり。

スタッフの欠員がでたら
代わりに行ってくれるスタッフを見つけて
時間外なのに車で送迎したり。

僕の中で
「仕事」が「生きることの全て」
という感覚になりました。

この頃は自分の会社が

ブラック企業だなんて
1ミリも思ってませんでした。

毎日、14~15時間ぐらい平気で働いてました。

もちろん残業代もでません。

でも、僕は「みんなに認められたい!」

その一心で
一生懸命に仕事をしました。

(給料は16万円なのにw)

この時に気付いたのですが僕は

「誰かに褒められたい・認められたい」

承認欲求が異常に強い人間だったのです。

だから、ブラックな環境にもかかわらず、

「誰かの役に立てることが嬉しい!」

働き始めて1年間くらいは純粋に
それしか考えてませんでした。

  • 長時間労働
  • 休みがない
  • 給料安い

会社が実はメッチャブラック企業であることに

何も不満に感じずに

「労働こそ、喜びである!」

「まぁ、頑張っていれば、いつか出世して給料もアップ!仕事も現場を離れてラクできるはず!」

みたいな
楽観的な価値観で
仕事に打ち込んでいました。

↓続く

【サラリーマン葛藤編】俺の仕事ってボコスカウォーズみたいなもん