ポンコツがいきなり就職したら、そりゃそうなるわって話

【ときめき度ゼロ】青春時代をもう一度やり直したいと切実に願う話

前回のプロフィールからの続き

音楽という夢を諦め

(というか、何も努力してない)

僕は周りのみんなと同じように
社会人として就職することにしました。

もちろん、スーツも持っていないので
「はるやま」で初めてスーツを買いました。

人生初の職安にも行って
あの独特のタッチパネルで仕事を探しました。

  • バカ高校卒業
  • 資格なし(なんとか普通免許だけ持ってる)

そんな僕を中途採用してくれる会社は、世に言う

ブラック企業ばっかりでした。

しかし、
ポンコツな上に社会人ルーキーだった僕は
そんなことは全く知らず…

求人募集を見て

  • 年齢制限なし
  • 資格もいりません!
  • 給料:基本給20万円+歩合給
  • 頑張るあなたを応援します!

みたいな求人を発見。

お、ここいいじゃん

とりあえず、この会社に面接行ってみるかー

というノリで
面接を受けに行ってみた。

大阪の本町というオフィス街にあったその会社。

面接に行って2日後、なんと合格通知が!

???

おう?

正社員になるのって
こんな楽勝なの?

ワロスwwwww

僕はブラック企業をなめてました。

まぁ、だいぶ後で知ったことなのですが、

基本的にブラック企業というのは

電話してきて、約束の時間を守って、

履歴書を持って、面接来るヤツは即採用という

ブラック企業ルールを
僕はまったく知らなかったのです。w

社会人はつらいよ…

そして迎えた初出社の日。

「お゛はよう゛ござーあいばぁず!!!!!」

(おはようございます)

超デカイ声で朝礼をはじめる
角刈りのおっちゃん

すげー体育会系の朝礼…。

僕はドン引きしました。

????

??

あれ?なんかおかしい?

そこでやっと異変に気付いたのですが、時すでに遅し。

オドオドしている僕にベテラン社員風の兄ちゃんが

「おう、新人!ロープレやるぞ」と言われ

僕の頭の中は

へ?
ロープレ?

ドラクエ?

FF?

今からゲームして遊ぶの?

え?え?

ハテナマークだらけで
意味ワカンネーってなりました。

(当時のカワノは本当にゲームして遊べると思っていました)

(ちなみに営業の仕事で「ロープレ」というのは、社員同士が1:1で向き合って、一人がお客さん、一人が営業マンとして営業トークの練習をすることである)

そのロープレが新人研修だったのですが

そこでやっと僕は気づきます。

あれ?

これって営業のお仕事か?

訪問販売のお仕事か?

なんと、はじめて正社員として入った会社は
「飛び込み営業」が主体の会社だったのです!

求人募集では
「法人顧客への通信機器の企画・案内」
って書いてたのに!!

だ、騙された!

セールスや営業だけは
絶対に無理だから、やらんとこう!
と思っていたのに!

僕としてはこの研修が終わった初日

「思っていた仕事と違うので辞めさせて下さい!」

と言い放って、すぐ辞めるという選択肢もあったのですが、

弱気な初就職野郎のカワノ・・・

そんなことが言えるわけもなく。

あと、僕の意味不明なプライドがここで発動。

正社員になって一日で辞めたら、俺ダサくない?

働きはじめるにあたって、僕は周りの友人に

「俺も正社員で働くことにした。出遅れた分、メッチャ稼いですぐ出世して、お前らごぼう抜きにしてやるよ」

と、偉そうに
意味不明なビッグマウスを
ぶっこんでいたことが仇となった。

飛び込み営業の
超体育会系の

絶対にここはヤバい…

と思っている会社を
辞めるに辞めれない…

自分で自分のクビを締める羽目になったのでした。

社会不適合者:カワノ

1日で辞めることはなかった
飛び込み営業の仕事でしたが

やはり続けることは無理でした。

一ヵ月、二ヵ月、と
慣れない飛び込み営業をしてると

訪問先に挨拶しただけで、
舌打ちされ追い返されたり、

酷いところでは、

「仕事の邪魔するんじゃねー!」


いきなり怒鳴りつけられて
傘を投げられたり

そんな毎日で
僕はメンタルがボロボロになりました。

さらに、僕より後に入ってきた

不動産屋のセールスマン経験のある年下の子が
バンバン契約をとってくるのに

僕はまだ一件も契約が取れずにいました。

所長と呼ばれる上司に

「カワノ、お前そろそろ契約とってこんか!」

「お前、契約も取ってこないのに、給料貰うとか、ただの給料泥棒やぞ」

とボロカスに言われました。

(今なら、完全なパワハラです)

最初は、何とか頑張ってみようと思っていた初就職でしたが

完全に心が折れました。

僕は

「俺には営業のセンス、セールスマンとしての才能ゼロだわ。メンタルも超弱いし、やっぱ無理!」

正社員として勤務してから三ヵ月目、
休み明けの月曜

どーしても会社に行くのが嫌で嫌で布団から出られず

寝転がって電話して

「やめさせてください」

と言って、
仕事を辞めました。

せっかく一念発起して就職したのに
三ヵ月で会社辞めてしまった。

「あー三ヵ月で仕事辞めるとか、俺、社会不適合者やんけーポンコツやんけー」

何をやってもダメな俺・・・

自分がポンコツであることを再認識・・・

自己否定。。。

落ち込んで凹みましたが、
悠長なことは言ってられません。

その当時、親が自己破産してて

実家もお金がなくて、大変な状況でした!

早くまた正社員で仕事をさがさないと

マジで飯食っていけない!

そんな状況でした。

恐怖&すごく焦りました。

かと言って、
慌てて仕事を探して

またブラックな会社だったら最悪だな…

僕は悩みました。

でも、とりあえず食いつないでいくために働かないとなー

ということで

次のめぼしい正社員の仕事が見つかるまでの間、

派遣会社に登録して
週5~6日でパチンコ屋さんでアルバイトを始めました。

バイトたのしー

繋ぎのために始めたアルバイトでしたが、

パチンコ屋のアルバイトは僕にとってパラダイスでした。

というか、

飛び込み営業に比べると

なんて楽勝なんだー!

と思いました。

立ち仕事+お客様の出玉を運ぶなど

多少、肉体労働はありますが

決まった時間〜時間の中、

言われたことをある程度やって、
真面目に働いていたら、結構な高時給がもらえるのです。

(時給が発生する当たり前の話ですが、それぐらい飛び込み営業のブラック企業に精神をやられていた)

あの忌々しい

給料泥棒!

なんてヒドイ事を言われなくていい。

契約取れるまで帰ってくるな!と言われ

夜の9時まで飛び込み営業させられる過酷なサービス残業もないのです!

「あーパチンコ屋のアルバイトってこんなにもラクチンだったんだなー」

僕はパチンコ屋のアルバイトが気に入って、
仕事も探さずに

まったりとバイト生活を楽しみ数ヶ月が経ちました。

そんな、ある日
パチンコ屋のバイトを紹介してくれた派遣会社の人から連絡がありました。

ん?
派遣の人から電話ってなんだ?

俺なんか仕事でヘマしたかな?

ちょっと焦って電話に出てみると

特に何か怒られるような電話でもなく

「今の職場で何か変わったことないですか?」

という話だった。

「なんだ、なんもない普通の電話か」

と雑談をしていたら…

「カワノくん、ウチの会社で働いてみない?」

「パチンコ屋で働くんじゃなくて、派遣する側になってみたくない?」

突然でした!

なんと!
派遣会社の正社員にならないか?

と誘われたのでした!

派遣会社の社員になったカワノ

まさかの展開で
派遣会社の正社員として誘われたカワノ!

おそらく、バイトを始めてから数ヶ月間

無遅刻・無欠勤で
真面目に明るく働いていたので

「コイツ、使えるかも」

派遣会社の担当さんの目に留まったのでしょう。

(本当はただのポンコツなのにw)

しかし、この時の
なんかムズムズした感情…。

なんていうんでしょうか。

僕の人生において

「正社員にならないか?」

と言われたことは

なんか、ポンコツだった僕を

「世に必要」とされたというか、

「お前のチカラが必要なんだ!」


認められた気がして…

今までのポンコツ人生で

そんなこと言われたことがないわけで

自己否定しまくっていた僕にとって
人から必要とされたことは

天にも舞い上がるぐらい嬉しいことでした!

「俺って本当は、イケてるんじゃね!?」

「仕事できる男なんじゃねっ!?」

バカが勘違いするのに十分な出来事でした(笑)

でも、時として「勘違い」は偉大です!

やったこともない人材派遣の仕事。

他人の仕事の世話をする仕事。

まぁ、ぶっちゃけ大変です!

かなりのコミュニケーション能力の高さも求められるし、

世間一般的にキツイ仕事(飛び込み営業なみ)と言われるぐらいの業種です。

普通に考えると

バカでコミュ障で
ラクして稼ぎたいマインドの
ポンコツ人間だった僕は

「絶対に自分には、できない」


ビビってやらない仕事です。

でも、僕はやる気満々になりました!

「勘違い」という武器を得て!(笑)

もう、俺の生きていく道はこれしかない!

派遣会社に就職することを決めました!

そして

  • 派遣の登録に来る人の面接方法
  • 取引先(企業)とのやり取り
  • 労働基準法の理解
  • 派遣法の勉強

などなど

死ぬほど、覚えること
業務は山積みにありました。

しかし、僕にとっては

もう、俺が浮かび上がるには(出世するには)

この仕事しかない!

一心不乱に仕事に取り組みました!

そして、そんな素人の僕でも頑張って仕事をしてると

面接に来る人に職場を紹介して

「カワノさん、良い職場に紹介してくれてありがとうございます」


感謝されたり。

人材を紹介した企業からも

「人が足りなくて困ってたんだよ、ありがとう。カワノくん」


喜ばれる。

さらに会社の売上げが上がる。

「よくやったなーカワノくん、入社したばっかりやのにすごいな!」

「カワノくんを我が社に採用して大正解だったよー!」

なんて、上司に褒められる。

今まで誰にも認められなかった男・カワノ

それがいきなりたくさんの人から
感謝されまくるようになったのです。

僕は有頂天になりました。

もはや、この仕事をやればやるほど

自分が高みに登れる気がして

社会のルールを度外視して(労働時間を無視)働きました。

新規の取引先が決定したら、
慣れない契約書の作成で夜中まで会社でパソコンカタカタしたり。

(この時、エクセルをかなりマスターした)

スタッフの欠員がでたら
代わりに行ってくれるスタッフを見つけて
時間外なのに車で送迎したり。

僕の中で
「仕事」が「生きることの全て」
という感覚になりました。

この頃は自分の会社が、
まさかブラック企業だったなんて
1ミリも思ってませんでした。w

毎日、14~15時間ぐらい平気で働いてました。

もちろん残業代もでません。

でも、僕は「みんなに認められたい!」

その一心で仕事をしました。

(給料は16万円なのにw)

今、思うと変態です。

僕は

「誰かに褒められたい・認められたい」

承認欲求が異常に強い人間なのです。

だから、ブラックな環境にもかかわらず、

「誰かの役に立てることが嬉しい!」

働き始めて3年間くらいは純粋に

勘違い+誰かに褒められたい!

それしか考えてませんでした。

  • 長時間労働
  • 休みがない
  • 給料安い

会社が実はメッチャブラック企業であることに
何も不満に感じずに

「労働こそ、喜びである!」

「まぁ、頑張っていれば、いつか出世して給料もアップするはず!」

みたいな
楽観的な価値観で
仕事に打ち込んでいました。

↓続く

俺の人生って何なんだ?カワノ夜な夜な泣いてた話