サラリーマン恐怖症になった時の話

俺の人生って何なんだ?カワノ夜な夜な泣いてた話

前回のプロフィールからの続き

給料が上がらない…
と聞き

仕事のやりがいを失い

転職を考えるもビビって何もできないポンコツカワノ。

精神をすり減らしながら
人材派遣の会社で働き続けました。

この頃、二人目の子供も生まれ
それでも給料は変わらない…

カワノ家はますます貧乏になって
節約を余儀なくされる生活でした。

貯金もありませんでした。

なんで、
こんなに毎日、毎日
働いているのに俺は貧乏なんだ…

給料上げてくれよ…

ボーナスくれよ…

一体、ウチの社長はどんだけケチなんだ…

ぼやきながらも

特に副業することもなく

(電話が24時間かかってくる恐れがあるので実質不可能)

理不尽なストレスに耐えながら…

自分の人生に葛藤しながらも

今日も一日、頑張るしかない…

そんな感じで毎日、働いていました。

・・・

そんな時でした。

ある日、いつも通りに会社に出勤すると

珍しく社長がいました。

「あ、社長、おはようございます!」

僕は普通に挨拶をして
いつもの仕事に取り掛かろうとしたのですが

「あ、カワノくん、ちょっといいかな」

と社長。

「あ、はい」

と僕。

別室に移動。

社長

「明日から会社に来なくていいから」

・・・・

・・・・

・・・

・・・・

「は?」

・・・

・・

・・

(カワノは絶句状態で言葉が出ない・・・)

社長↓

「昨年のリーマンショックからの営業不振で会社は今月中に破産手続きをすることになった」

「明日から会社に来なくていいから、失業保険はすぐに出るから安心したまえ」

・・・

・・

全く状況が飲み込めない僕。

お構いなしに社長は、退職の手続きは、あーだこーだと

最低限の事務的なことを話して

「じゃ、そう言うことだから」

と部屋を出て行った。

取り残された僕はまだ状況を飲み込めず

「は?」

「嘘だろ」

すぐに携帯を取り出し、確認のために上司のSさんに電話。

Sさんからも会社倒産の話を聞く。

ここで、やっとマジで会社が倒産して

自分がリストラになったことを把握。

えええええええええええええ!!!!

僕は、大声で叫びました。

カワノ31歳

オス

嫁・子供2人

職業:無職

いやいやいや!

シャレならん!

僕が6年間、心血を注いで
売上げを必死で上げてきた会社は

2009年

前年(2008年)のリーマンショックの煽りを受けて売上が下がっていたため

社長の独断で
倒産することになったのでした。

僕が泣こうが喚こうが

会社を裏切れない!とか言って
転職しなかったことも

理不尽に耐えながらも

これでいいのだ…

これでいいのだ…


自分の感情を抑え込み

大切な「何か」を犠牲にしながら
努力していたサラリーマンとしての日々は…

社長の「やめる」の一言で
あっけなく終了ー!

僕が今まで築き上げてきた会社内の人間関係も

取引先との人間関係も

スタッフとの人間関係も

覚えた仕事のスキルも

いつかこの会社で出世して、成りあがってやる!

と言って
6年間、努力し続けたこと

我慢し続けたことが

一瞬にして消し飛んでしまったのです!

俺は社長になる!

カワノ、まさかの31歳で強制リストラ。

無職のポンコツ人間に逆戻り!

妻も子供2人もいるのに!

僕はこの時、
サラリーマンという働き方に
本当に恐怖を感じました。

サラリーマン(正社員)になっておけば、
とりあえず、飯は食っていける。

毎月の「給料」と引き換えに
僕らは身を粉にして働く。

何かあったら会社が
社員を守ってくれる。

サラリーマン絶対神話!

当時の僕は本気でそう思っていました。

ここまでこのプロフィールを
読んでくれた人なら理解できると思いますが

カワノは基本、ハイパーウルトラ世間知らずだったのです。

高卒で8年間、フリーターして

飛び込み営業の会社3ヵ月でやめて

たまたま派遣会社にスカウトされて働いてきただけの男。

なわけです。

会社倒産…

僕は目の前に突き付けられた理不尽に
うろたえました。

あんなに一生懸命、
会社のために頑張ってきたのに…

仕事で子供の出産にも立ち会えず、嫁に文句いっぱい言われたのに。

給料のために、
毎日毎日遅くまで働いてきた。

努力してきたのに…

会社が倒産って

普通に売上げは
あったじゃないか!

なんで、赤字経営になるんだ?

社長が無駄遣いしてたからだろ!

意味わからんBMWとか、乗り回して

「今月中に破産手続きする」とか、

はぁ?

って話です!

それを社員にも言わず、
社長の独断で決めるとか、勝手すぎるだろ!?

会社都合の退社ってなんだ?

どれだけ文句を言ったところで

後の祭り・・・

現実は変わらない・・・

一体、サラリーマンってなんだ!?

悔しい…

悲しい…

なんやねんっ!

色んな感情が入り乱れて
頭がおかしくなりそうでした。

僕はこの出来事をきっかけに

もう二度とサラリーマンだけはしたくない!

サラリーマン恐怖症になりました。

かと言って、収入がないと生きていけません・・・

うう・・・どーしよー

サラリーマンに戻りたくない31歳…

しかも、既婚者で子供二人…

どうやってお金を稼いで家族を養うの?

アルバイトでもする?

いや、無理無理!

そんなことしてたら、
親戚のおばさんに何を言われるかわからん!

「あんた!30歳超えて子供もおるのに!アルバイトなんかやって!何考えてるの!」

確実にガミガミ小言を言われるなー。

世間体が悪すぎる…。

絶対、アルバイトはアカンなー。

やっぱり、サラリーマンとして再就職か…

いやいやいや!

再就職したところがまた倒産することだって十分あり得る!

もう俺はサラリーマンとしてを働きたくない!

あー俺は一体、どーしたらいいんだー!

心の中のなんとも言えないモヤモヤしたものが

不安と共に日増しに大きくなっていきました。

会社都合の解雇だったので、
もしすぐに仕事が見つからなくても

失業保険は貰えるので
数ヶ月の間は、かろうじて収入ゼロではないのですが

それだけのお金では
生計が成り立ちません!

会社リストラになって職安に失業保険の手続きに行きながら

1週間、10日経って・・

不安がピークに達した

そんな時でした。

(倒産した会社の)

唯一、僕の後輩がいました。

(年齢も一つ下で歳が近かったので仲良かった)

彼も、もちろん倒産に巻き込まれ

当時、30歳で無職です。

「カワノさん、ちょっと飲みに行かないですか?」

と誘いがありました。

本来、飲みになど行ってる場合じゃないのですが

飲まずにやってられるかー!

という心境で
元同僚と飲みに行きました。

今回の「いきなり会社倒産」について

お互い色々と愚痴を言っている時に

元同僚が言いました。

「カワノさん、前の会社のノウハウ使って二人で派遣会社しません?」

・・・

・・

それだ!

僕は自分の中にあったモヤモヤしている感情の正体を突き止めました!

サラリーマンに戻りたくない、アルバイトもダメ!

それでお金を稼ぐなら

独立!

起業!

俺の求めていた答えは、それやんけっ!

僕はコーフンすると同時に心の中で

マジでそんなこと可能か?

冷静に考えてみました。

(今思えば、全然、冷静じゃなかったのですが)

もし二人で起業するなら、
どれぐらいお金が必要か!?

どーしたらいいか?

グルグル頭を働かせました。

人材派遣の仕事…

ちゃんと法律に触れないやり方であれば…

あーやって、こうやって…

できる!

法律を犯すことなく、俺たちのような素人でも一応、可能だ!

(あくまで2009年時点でのお話です)

資金は?

お金を用意できるか?

昔に作った消費者金融のカード
たしか上限まで後、いくらかなら借りれたはず…

というか、

取引先にお願いして、最初の3ヶ月間だけ

月末締めの翌10日払いにしてもらったりできれば

そこまで大きな資金がなくてもいける!

僕の頭はフル回転しました。

起業するにあたって
起こりうる問題を二人で話して解決しながら

「うんうん!いけるぞ!」

一人じゃ起業なんて絶対に考えられなかったが

二人でなら、
なんとかやれそうな気がする!

それができるなら、
サラリーマンに戻らなくていいし!

アルバイトなんかよりも
世間体もメッチャいい!

何より、自分たちが「社長」になるということに

二人とも物凄く興奮した。

僕らはその場で

「起業するぞ!」

「派遣会社を立ち上げるぞ!」

「二人で金持ちになったろうぜ!」

と誓い合い

話が動き始めたのでした!

待っていたのはパラダイスだったのか!?

新たに独立起業して金持ちになることを目標に

僕は動き出した!

起業するにあたってまず、妻を説得しなければいけなかった。

友人と飲みに行った翌日、僕は早速、妻に相談した。

  1. サラリーマンには戻りたくない
  2. バイトも世間体が悪い
  3. もう起業するしか道はない!

順を追って
僕の意思を伝えた。

妻は

「できれば、普通に働いて欲しい」

と、難色をしめしました。

そりゃーそうだ。

起業なんて、響きはいいが

もし、失敗すれば、稼ぎはゼロ。

下手すりゃ借金も抱えて
今よりもっとお先真っ暗になる。

しかし、僕はもう思い立ったら即動く!

決めていました。

もうあの「音楽の夢を諦めたときのような」

何にも行動してないのに、あとで

「やっぱりやっとけば良かった」

と後悔するようなことは絶対にしたくなかったのです。


さらに
この話もしたうえで何日もかけて妻を説得しました。

最終的に妻は

「本当はイヤなんだけど…」

折れるかたちでOKを出してくれました。

僕は、

「半年後には、給料100万円持って帰ってくる!」

と暴言を吐いて(笑)

なんとか妻の説得に成功しました。

僕らは起業に向けて動き始めました。

そして1ヵ月後、

最初は個人事業という形でしたが

晴れて僕らの会社が誕生したのです!

「よっしゃー働きまくって稼ぎまくってやるぞー!」

僕の心の中に、あの頃(派遣会社に入った頃)と
同じ情熱が沸き起こりました!

今度は、売上を上げたら上げた分、

しっかりと自分たちの給料に反映される!

もう、ケチな社長に搾取されずに思いっきり働けるぞー!

うおおおおおおお!!!
やってやるーー!!

カワノバイキルト&バーサク状態でした。

そして、
サラリーマンの頃に取引していた

顔なじみの会社に営業に行きまくったのです。

が、しかし!

世の中、そんなに甘くない。

「あーカワノくんか、何?会社立ち上げたの?すごいねー。でも今、うちもリーマンショックで仕事減ってね。人いらないんだよ」

「またなんかあったら連絡するよ」

ことごとく、↑の感じで
あてにしていたお客さんに
営業を断られました…。

なんということでしょう…。

せっかく、自分たちで会社を立ち上げたのに

リーマンショックの影響によって
全く仕事の受注が取れなかったのです!

かろうじて、何社か

「カワノくんだから」

という人情で

なんとか数件の仕事は取れましたが

でも、考えていた目標の
売上げに全く届かない。

毎月の会社のために借りたワンルームの家賃・光熱費・広告費など払うと

ほぼ手元にお金が残らないという

悲惨な状態でした。

特に僕は、自分が当てにしていた取引先が壊滅状態だったのに責任を感じて

一円も給料をとりませんでした。

まったく収入がなくなってしまった僕は即、夜勤の肉体労働のアルバイトをはじめました。

それでなんとか食いつなぎ…

事業を軌道にのせようと、頑張りました。

しかし、全く経営のことなどを勉強してこなかった二人。

立ち上げから上手くいかない事業。

がむしゃらに頑張っても上手くいかず、イライラして

そのうち僕らは顔を合わせるたびに、ケンカするようになりました。

でも、お互いにこの会社を潰してなるものか!

意地と執念だけで

一発逆転、必ずできるはず!
と信じて

6年間、赤字の会社を運営し続けました。

しかし、事業は一向にうまくいきません。

ただただ時間が流れ、借金が増えていく。

僕はどうにかしないといけない!

そう思い、派遣の仕事以外

何か稼ぐビジネスモデルはないものか?

模索し始めました。

そして

  • ブログ
  • Amazonを使ったネット販売

いわゆる、ネットビジネスの情報に出会いました。

これからの時代背景や
ドンドン締め付けが厳しくなる人材派遣の法律を考えたとき

僕は

「派遣の事業を辞めて、ネットビジネスをやるべきなんではないか」

そう考えて
友人に相談しました。

しかし、

友人の答えは「NO」でした。

今の仕事もうまくいってないのに

ゼロから始めるネットビジネスで
自分たち二人が飯食って稼げていくことが想像できない

とのこと。

確かに…

最初に立ち上げた人材派遣の事業すら上手くいってないのに

新しく何かを始めるとか…

考えが浅はかすぎるか…

友人に言われて
僕もそう思いましたが

心の片隅では

「このまま現状維持」というのが

最も危険なんじゃないのか?

6年間も頑張ってきたのに

軌道に乗らない人材派遣の仕事・・・

こっちの方が本当はダメなんじゃないのか?

借金も減るどころか、増えていく一方じゃないか!?

このままやっても何も変わらないんじゃないか!?

変化することにビビっているだけじゃないか?

一方でそうも感じていました。

人材派遣の仕事を続けるのか?

ネットビジネスにチャレンジするのか?

僕は葛藤を抱えたまま

また数か月が過ぎました。

貧乏すぎて本気で人生が詰んだと思った時の話